「肩(首)が痛い」「肩から腕にかけてしびれる」「頭痛がする」
このような症状を訴える方は非常に多くいらっしゃいます。
明らかな外傷(転倒・打撲・骨折など)がない場合、原因として考えられるのは、
・頸椎由来の問題
・いわゆる投球肩
・五十肩(肩関節周囲炎)
・変形性肩関節症
などが代表的です。
これらの整形外科疾患は、細菌感染などの外因性疾患とは異なり、はっきりとした治療法が確立されていないケースが多く、実際の医療現場では「温存療法(経過観察・投薬・リハビリ)」が選択されることがほとんどです。
しかし、どの疾患においても共通して言えることがあります。
それは「血流の改善なくして、回復は起こらない」という事実です。
上肢(腕)の神経は、首の横から出た神経が枝分かれし、鎖骨の下をくぐり、上腕・前腕・手指へと連続的につながっています。
つまり、肩や腕の症状であっても、その出発点は「首」にあります。
さらに重要なのが、肩の深部を通る神経と血管の通り道です。
肩甲骨と上腕骨の間、脇の後方に存在する空間を「三角間隙(さんかくかんげき)」と呼びます。
この三角間隙は、
・小円筋
・大円筋
・上腕三頭筋長頭
・上腕骨
といった構造物に囲まれた、非常に重要なスペースです。
この狭い空間を、腋窩神経や、肩甲回旋動脈・肩甲上動脈といった肩甲骨周囲の血流を担う重要な血管が通過しています。
姿勢不良(猫背・巻き肩)、長時間の同一姿勢、過度な使用、運動による疲労などが重なると、これらの筋肉が硬直し、三角間隙は容易に狭くなります。
その結果、神経や血管が圧迫され、
・肩の外側から上腕後面にかけての痛み・しびれ
・腕を上げる(万歳動作)際の鋭い痛み
・動かしていないのに重だるさが抜けない
といった症状が現れます。
これは単なる「筋肉のコリ」ではありません。
神経と血管が物理的に締め付けられている状態です。
肩関節や頸椎の構造だけを見ていても改善しない症状が多いのは、
この深層の通路(三角間隙)へのアプローチが抜け落ちているからです。
肩甲骨周囲の血流を改善するためには、表層の筋肉を揉むだけでは不十分です。
「肩甲上動脈」「肩甲回旋動脈」が通過する三角間隙に、的確にアプローチすることが不可欠です。
神経と血管が解放され、血流が回復すると、組織は本来の回復力を取り戻し始めます。
それこそが、整体における本質的な回復の第一歩です。
では、整体では具体的に何をしているのか。
そして、なぜ同じ「肩の痛み」でも改善に差が出るのか。
多くのマッサージでは、
・つらい場所を中心にほぐす
・硬い筋肉を緩める
・可動域を広げる
といったアプローチが中心になります。
もちろん、それ自体が無意味なわけではありません。
しかし、痛みが出ている場所=原因の場所とは限らないという視点が抜け落ちると、症状は繰り返します。
当院では、肩や腕の痛みを
「筋肉の問題」
としてだけ捉えません。
解剖学・西洋医学に基づき
・どの神経が関与しているのか
・どの血管の流れが阻害されているのか
・どの空間(通路)が狭くなっているのか
を常に考えます。
特に重視しているのが、神経と血管の通り道です。
痛みやしびれは、筋肉そのものよりも
神経や血流が阻害された結果として現れている反応であることが多くあります。
そのため、表層の筋肉だけをいくら緩めても、深部の圧迫が解除されなければ根本的な改善にはつながりません。
当院の施術では、
頸椎・鎖骨周囲・肩甲骨・上腕にかけての
神経と血管の連続性をも重視し、
三角間隙を含む肩の深部へ、的確にアプローチしていきます。
強い刺激や、ボキボキ鳴らす矯正は行いません。
必要なのは力ではなく、解剖学や西洋医学の知識です。
神経や血管が通る場所は非常に繊細です。
無理な刺激は、防御反射を招き、かえって筋肉を硬くします。
そのため、身体が緊張しない範囲で、深層へ届く施術を行います。
施術中に
「そこそこ…」
「まさにその奥」
と感じるポイントがあるのは、解剖学的に狙う場所が明確だからです。
血流が改善し、神経の圧迫が解除されると、
・肩が自然に軽くなる
・腕が引っかからずに上がる
・じんわりと温かさが広がる
といった変化が起こります。
これは一時的なリラクゼーションではなく、
身体が本来持っている回復力が働き始めたサインです。
当院の整体は、
「その場しのぎで楽になる施術」ではありません。
神経・血管・構造を整え、身体が自分で回復できる状態へ戻していく整体です。
〈写真解説〉私たち疼痛療術師は、整形外科疾患を整体でどうアプローチしていくかを有用性のある講座で定期的に研究しています。


















